AWS SAP-C02 とは — Professional帯の設計判断資格
AWS Certified Solutions Architect – Professional(試験コード SAP-C02)は、AWSのProfessional認定資格の中でも最難関クラスに位置づけられる上位資格です。
同じSolutions Architectカテゴリの SAA-C03(Associate)が「どのサービスを選ぶか」という設計視点を問うのに対し、SAP-C02は「複数のサービスをどう組み合わせ、制約や組織要件のなかでトレードオフを最適化するか」という設計判断力にフォーカスします。
S3・Lambda・VPC の3サービスだけで問題バンク全体の大半に登場するほど横断的であり、単一サービスの理解だけでは解けない複合シナリオの設計問題が中心です。
マルチアカウント組織設計・ハイブリッドネットワーク・大規模移行戦略・既存ワークロードの継続的改善など、実務で上流設計に携わるアーキテクトが日常的に直面する判断を体系的に証明できる資格です。
- SAP-C02 の試験仕様(75問/180分/合格750点/受験料300USD)と4ドメインの出題比率(§1)
- SAA-C03との根本的な違い—Associate設計視点 vs Professional設計判断力(§2)
- 300問実測から導いた頻出サービスTOP16(S3/Lambda/VPC中核)(§3)
- Professional帯が問う「トレードオフ評価」と「組織横断設計」の実態(§4)
- SAA修得者向け最短学習ロードマップ(§5)
- CertTrend LMS 300問の活用法(§6)
1-1. 試験仕様
公式試験ガイド v1.2(SAP-C02)および公式認定ページで裏取り済の試験仕様は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | AWS Certified Solutions Architect – Professional |
| 試験コード | SAP-C02 |
| レベル | Professional(最難関クラス) |
| 総出題数 | 75問(採点対象65問 + 非採点10問) |
| 制限時間 | 180分(2.4分/問) |
| 合格スコア | 750(100–1,000 スケールドスコア) |
| 採点モデル | 補償的採点(全体スコアで合否判定) |
| 受験料 | 300 USD |
| 出題形式 | 単一選択(正解1)/複数選択(正解2以上・Select TWO/THREE) |
| 推奨経験 | AWS上での設計・運用 実務2年以上 |
非採点10問は将来の問題評価用であり、試験中には識別できません。
制限時間180分は Associate の130分より長いですが、問題の文章量・選択肢の複雑さが大きく増します。
1問あたり2.4分が平均ですが、複合シナリオ問題では読解だけで2分を要することもあるため、時間管理の練習も合格戦略の一部です。
1-2. 対象読者
本シリーズは以下のような方を主な対象としています。
SAA-C03を取得済みで、次のステップとしてProfessional認定を目指している方。
AWS上での設計・ソリューションアーキテクチャ実務経験が2年前後ある方。
マルチアカウント設計・ハイブリッドネットワーク・大規模移行など、上流設計の知識を資格として体系化したい方。
SAP受験経験があるが750点に届かず、ドメイン別に弱点を整理したい方です。
SAA-C03(Associate)との決定的な違い
SAP-C02と SAA-C03は同じ「Solutions Architect」カテゴリですが、問われる知識の深さと判断の質が根本的に異なります。
2-1. Associate は「サービス選定」、Professional は「設計判断」
SAA-C03(Associate)は、要件に対して「どのAWSサービスを使うべきか」を正しく選定できるかを問います。
「可用性を高めるにはどうするか → マルチAZ」「コストを下げるには → スポットインスタンスとRIの組み合わせ」というサービス・機能レベルの選定が中心です。
SAP-C02(Professional)は、複数の制約(コスト・性能・信頼性・セキュリティ・組織制約)がトレードオフになる状況で、「なぜそのアーキテクチャを選ぶか」という設計判断の根拠まで問います。
「オンプレミスのActive Directoryと AWS を統合しながら、200アカウントにまたがるマルチアカウント組織でSCPを使ったセキュリティ統制をどう実現するか」というような複合シナリオが典型的な出題パターンです。
2-2. Bloom レベルの差(L1-L3 vs L4-L6)
問題バンク300問のBloomレベル実測値は L4=194問(64.7%)・L5=89問(29.7%)・L6=17問(5.7%)で、全問がL4以上です。
Associate試験に多いL1(記憶)・L2(理解)・L3(応用)の問題はSAPには存在しません。
| Bloom レベル | SAP-C02 での出題 | 典型的な問題形式 |
|---|---|---|
| L4 分析 | 194問(65%) | アーキテクチャのボトルネック特定・トレードオフ比較 |
| L5 評価 | 89問(30%) | 複数案の優劣判断・根拠を問う設計評価 |
| L6 創造 | 17問(5.7%) | ゼロから最適アーキテクチャを設計 |
2-3. SAP 独自の出題領域
SAA では薄い(あるいは存在しない)出題領域として以下が挙げられます。
- D1 組織的複雑性: Organizations/Control Tower を使ったマルチアカウント統制。SAAでも問われますが、SAPはSCPの設計・OU階層・ガードレール設計まで踏み込みます。
- D3 継続的改善: 既存ワークロードをWell-Architectedの5本柱に沿って改善する判断。AWS Configの適合パック・Compute Optimizerの活用・コスト最適化の運用サイクルはSAP固有の深さです。
- D4 移行と近代化: 6R(Rehost/Replatform/Repurchase/Refactor/Retire/Retain)戦略の選択・DMS/MGN/Snow Familyの使い分け・モノリスからマイクロサービスへの近代化設計は、SAAには対応する深い出題がありません。
出題4ドメイン全体像(比率・問題数)
SAP-C02 は4つのドメインで構成されます。
公式試験ガイド v1.2 の出題比率と、CertTrend LMS 300問問題バンクの実測分布は完全一致しており、配点比率を学習優先度の指針として活用できます。
| ドメイン | 名称(公式 SAP-C02 v1.2) | 配点 | 300問実測 | 実測比率 |
|---|---|---|---|---|
| D1 | Design Solutions for Organizational Complexity | 26% | 78問 | 26.0% |
| D2 | Design for New Solutions | 29% | 87問 | 29.0% |
| D3 | Continuous Improvement for Existing Solutions | 25% | 75問 | 25.0% |
| D4 | Accelerate Workload Migration and Modernization | 20% | 60問 | 20.0% |
| 合計 | 100% | 300問 | 100% |
ドメイン名称に関する重要注記: 旧版SAP-C01では D3=「Migration Planning」/ D4=「Cost Control & Optimization」という名称でした。現行のSAP-C02では上表の名称が公式です。旧称を使った参考書・ブログ記事も残っているため、ドメイン名は公式試験ガイド v1.2 を正本としてください。
D1:組織的複雑性への設計(26%・78問)
マルチアカウント環境・ハイブリッドネットワーク・組織横断のセキュリティ統制・事業継続性を設計する能力を問います。
主な出題テーマ:
- マルチアカウント設計: AWS Organizations の OU 階層設計・SCP(サービスコントロールポリシー)の評価順序・AWS Control Tower による ガードレール設計。「どのSCPをどのOUに適用すると要件を満たせるか」という判断が頻出です。
- ハイブリッドネットワーク: AWS Direct Connect(帯域保証・低遅延)vs Site-to-Site VPN(低コスト・暗号化)のトレードオフ・Transit Gateway によるハブアンドスポーク型の接続設計・AWS PrivateLink を使ったサービス共有パターン・Route 53 Resolver を使ったハイブリッドDNS解決。
- DR戦略(RTO/RPO): Backup and Restore・Pilot Light・Warm Standby・Multi-Region Active-Active の4パターンの使い分け。コスト・RTO・RPO のトレードオフを定量的に判断する問題が多く出題されます。
- セキュリティ統制: IAM Identity Center(AWS SSO)を使ったマルチアカウント認証・KMS のキー管理ポリシー・CloudTrail の組織レベル証跡・AWS Security Hub によるセキュリティ態勢の可視化。
- コスト可視化: Cost Explorer・Compute Optimizer・S3 Storage Lens を使った組織全体のコスト分析と改善提案。
SAAレベルのVPC設計知識(サブネット分割・ルートテーブル・セキュリティグループ)は前提知識として問われ、SAPではその上に「複数アカウントにまたがる通信制御をどう実現するか」が加わります。
D2:新規ソリューションの設計(29%・87問・最大配点)
最も出題比率が高いドメインです。
新規ワークロードをゼロから設計する際のデプロイ戦略・事業継続性・セキュリティ要件・性能目標・コスト最適化の統合判断を問います。
主な出題テーマ:
- デプロイ戦略: ブルーグリーン・カナリア・ローリングアップデートの選択基準。ECS + CodeDeploy・API Gatewayステージの使い分け・CloudFormationスタックセットを使ったマルチリージョン展開。
- 事業継続性: Multi-AZ での可用性設計と Multi-Region でのフェイルオーバー設計の判断基準。Route 53 のヘルスチェック・Failover ルーティング・Aurora Global Database を使ったリージョン間フェイルオーバーの設計。
- 要件ベースのセキュリティ: 機密データの分類(PII・PHI・PCI-DSS)に応じた暗号化戦略・Macie による自動検出・GuardDuty Malware Protection の統合設計。
- 性能とスケーラビリティ: ElastiCache・CloudFront・Global Accelerator の組み合わせによるレイテンシ最小化・Aurora Serverless v2 と DynamoDB の使い分け・EventBridge + SQS + Lambda によるイベント駆動型設計のスループット計算。
- コスト最適化戦略: Reserved Instances・Savings Plans・スポットインスタンスの組み合わせ最適化。新規ワークロードで「最初から何を予約すべきか、何をオンデマンドのまま置くべきか」という判断が出題されます。
D2は問題数が最多なだけでなく、「何も制約がない状態でゼロから最適解を設計する」という難度が高い判断を求める問題が集中します。
特に「複数のアーキテクチャ案を比較してなぜこれが最善か」という評価問題(L5)がD2に多く出題されます。
D3:継続的改善(25%・75問)
既存ワークロードをWell-Architectedの5本柱(運用上の優秀性・セキュリティ・信頼性・性能効率・コスト最適化)に沿って改善する能力を問います。
主な出題テーマ:
- 運用上の優秀性: AWS Systems Manager Automation・EventBridge Scheduler・Lambda を使った自動化・AWS Config 適合パックによる継続的コンプライアンス評価・Trusted Advisor の優先度付けと自動化。
- セキュリティ改善: GuardDuty のアラートからの自動修復フロー(GuardDuty → EventBridge → Lambda → Security Group修正)・AWS Config Rules による非準拠リソースの自動検出と修復・IAM Access Analyzer による外部共有の検出。
- 性能改善: CloudWatch メトリクス・Contributor Insights・X-Rayによるボトルネック特定。ElastiCache のレイテンシ分析・RDSのread replicaとAurora Serverlessへの移行判断。
- 信頼性改善: AWS Fault Injection Service(FIS)を使ったゲームデー演習・AWS Resilience Hub によるRTO/RPO評価と改善提案・CloudFormation Drift Detection による構成ずれの検出。
- コスト最適化: Compute Optimizer の推奨事項の実装・S3 Intelligent-Tiering・EBS スナップショットのライフサイクル管理・RI/Savings Plans の利用率改善。
D3は「すでに動いているシステムを壊さずに改善する」という実務に直結した判断を問います。
改善施策を実装する順序・影響範囲・リスク評価を含む複合的な判断が出題の特徴です。
D4:移行と近代化の加速(20%・60問)
オンプレミスや既存クラウド環境からAWSへの移行、およびレガシーシステムの近代化戦略を問います。
主な出題テーマ:
- 移行戦略(6R): Rehost(リフトアンドシフト)・Replatform(最小改変)・Repurchase(SaaS移行)・Refactor/Re-architect(再設計)・Retire(廃止)・Retain(現状維持)の6パターンのシナリオ別選択基準。「大量の仮想マシンを短期間で移行するにはどのRを選ぶか」という状況判断が典型です。
- 移行ツール選択: Database Migration Service(DMS)+ Schema Conversion Tool(SCT)を使ったデータベース移行・Application Migration Service(MGN)によるサーバー移行・AWS Snow Family(Snowball Edge/Snowcone)を活用したデータ転送・DataSync のオンライン同期・Transfer Family を使ったFTP/SFTP環境の移行。
- 近代化設計: モノリシックアプリケーションのマイクロサービス分解方針・Step Functions を使ったワークフローのサーバーレス化・Fargate への移行設計・Event-Driven Architecture(EventBridge + SQS)への切り替え。
- 移行時のリスク管理: 移行前のWave計画・テスト・カットオーバー手順の設計。並行運用期間中のデータ整合性確保・ロールバック計画・ダウンタイム最小化戦略。
D4の問題では「コスト・期間・リスク・技術的負債」の4軸を同時に評価する状況が多く、単純な技術選択ではなくビジネス制約を加味した移行計画の妥当性判断が問われます。
頻出サービスマップ(S3/Lambda/VPC中核)
CertTrend LMS の300問を分析した頻出サービスランキングです。
試験対策の優先度決定と時間配分の基準として活用してください。

| 順位 | サービス | 300問中の出現数 | 主要ドメイン |
|---|---|---|---|
| 1 | Amazon S3 | 274 | D1・D2・D3・D4(全ドメイン共通) |
| 2 | AWS Lambda | 184 | D2・D3 |
| 3 | Amazon VPC | 179 | D1・D2 |
| 4 | Amazon RDS | 79 | D2・D3 |
| 5 | AWS Config | 56 | D1・D3 |
| 6 | Amazon CloudFront | 55 | D2・D3 |
| 7 | Amazon EventBridge | 54 | D2・D3 |
| 8 | Amazon Aurora | 53 | D2・D4 |
| 9 | Amazon DynamoDB | 51 | D2 |
| 10 | Amazon SQS | 50 | D2 |
| 11 | Amazon GuardDuty | 47 | D1・D3 |
| 12 | AWS DMS | 30 | D4 |
| 13 | AWS Control Tower | 29 | D1 |
| 14 | AWS Transit Gateway | 24 | D1 |
| 15 | Amazon Kinesis | 23 | D2・D3 |
| 16 | AWS Organizations / PrivateLink | 19 | D1 |
S3・Lambda・VPC を最優先すべき理由
上位3サービス(S3/Lambda/VPC)が出現数においてほかを圧倒しています。
S3(274問)は全ドメインに横断して登場します。
「ストレージの選択」にとどまらず、「バケットポリシーとSCP・S3 Object Lockを使った法的保持・S3 Storage Lensによるコスト分析・クロスリージョンレプリケーション(CRR)・S3 Glacier Instant Retrieval vs Deep Archiveのコストトレードオフ」まで、S3の機能を複合シナリオに適用する判断が問われます。
Lambda(184問)はイベント駆動型アーキテクチャの中核として登場します。
SAPではLambdaの「使い方」ではなく、「Lambdaを使うべき状況とFargate/EC2を選ぶ状況の判断基準」「Step Functions とLambdaの組み合わせによるワークフロー設計」「Lambda@Edgeを使ったエッジコンピューティングのトレードオフ」が中心です。
VPC(179問)はほぼすべてのD1・D2問題の前提として登場します。
サブネット設計はAssociateで学習済みの前提で、SAPではTransit Gateway・PrivateLink・VPC Peering・Direct Connectのハイブリッド接続設計のトレードオフが問われます。
ドメイン別 特徴サービス
D1(組織的複雑性)の核心: Organizations・Control Tower・Transit Gateway・PrivateLink・IAM Identity Center。
これら5サービスは「マルチアカウント組織でどう統制するか」という判断軸で相互に連携して出題されます。
D2(新規ソリューション)の中核: Lambda・Aurora・DynamoDB・EventBridge・SQS の組み合わせ。
「サーバーレスvsコンテナvs EC2のどれを選ぶか」「マネージドDBとKey-Value DBの使い分け」という設計判断が多く出題されます。
D3(継続的改善)の主軸: Config・GuardDuty・Cost Explorer・CloudWatch・Compute Optimizer。
「既存システムをいかにコストを下げながら安全性・信頼性を高めるか」という改善サイクルの設計が問われます。
D4(移行と近代化)専用: DMS・MGN・Snow Family・DataSync・Transfer Family。
これらは他ドメインにはほぼ登場しない D4 固有のサービス群であり、移行シナリオの特性に応じた使い分けを必ず習得する必要があります。
Professional帯が問う「設計判断力」の実態
SAP-C02 の最大の特徴は、正解が1つに見えない問題で「最もビジネス要件を満たす選択肢」を選ぶ判断力を問う点です。
4-1. トレードオフ評価
Associates試験では「最もコスト効率が高いのはどれか」や「最も可用性が高いのはどれか」という単軸の問いが多いです。
SAPでは「コスト・RTO・セキュリティの3軸がトレードオフになる状況で最も要件を満たすのはどれか」という複軸評価が中心になります。
典型例:
「RTOが4時間・RPOは1時間・月次DR演習が必須・コスト増加を最小化したい」という要件があった場合、Pilot Light・Warm Standby・Multi-Region Active-Activeのどれを選ぶかは「コスト vs RTO vs 演習コスト」のトレードオフです。
Warm Standbyは常時稼働コストが高いがRTOが短い。Pilot Lightは安いがRTOが長くなる。Multi-Regionは最速だが最高コスト。要件の優先度を読み取って最適解を導くのがSAPの問いです。
4-2. 組織横断の設計
SAPは単一ワークロードにとどまらず「企業全体のAWS環境をどう設計するか」という視点が加わります。
- 「100のAWSアカウントを持つ組織でセキュリティツールを全アカウントに適用するには?」
- 「開発環境でのコスト超過を防ぎながら本番環境のガバナンスを維持するSCPはどう設計するか?」
- 「複数の独立した事業部門が同一AWS組織内に共存し、かつ相互に独立してデプロイできるようにするには?」
これらは単一アカウントの知識では解けない、Organizations・Control Tower・Service Catalog・RAM(Resource Access Manager)の組み合わせ設計が問われる問題です。
4-3. Well-Architectedフレームワークへの対応
SAPの問題設定は暗黙的にWell-Architectedの5本柱(運用上の優秀性・セキュリティ・信頼性・性能効率・コスト最適化)のいずれかの改善を求めます。
問題を読んで「この問いはどの柱の改善を求めているか」を瞬時に判断することで、正解選択肢の絞り込みが素早くなります。
例えば「EC2インスタンスタイプの老朽化でコストが増大している」→コスト最適化の柱→Compute Optimizer の推奨適用・Savings Plans の活用 という方向性が見えます。
学習ロードマップ(SAA修得者向け推奨順序)
フェーズ1:全体像の把握(本記事)
まずこのVol0で試験の4ドメイン・頻出サービス・SAAとの違いを理解します。
「どのドメインに何%の時間を投資するか」という学習配分を決めることが効率的な学習の前提です。
推奨時間: 1〜2時間
フェーズ2:D1 組織的複雑性(26%)
Organizations・Control Tower・Transit Gateway・IAM Identity Centerを中心に、マルチアカウント組織設計とハイブリッドネットワーク設計を習得します。
重点: SCP評価順序・OU階層設計・DR戦略の4パターン比較・Route 53 Resolver を使ったハイブリッドDNS
SAA-C03でも Organizations や VPC の基礎を学習済みの方が多いですが、SAPではその知識を「複数アカウントにまたがる制御への応用」のレベルへ引き上げる必要があります。
推奨時間: 8〜12時間
フェーズ3:D2 新規ソリューション(29%・最大配点)
最大配点のため、最も時間を投資すべきフェーズです。
新規設計のデプロイ戦略・事業継続性・パフォーマンス設計を習得します。
重点: サーバーレスvsコンテナの判断基準・Multi-Region Failoverの設計・EventBridgeを使ったイベント駆動設計
D2では「同一の要件に対して複数のアーキテクチャ案を比較してなぜ最善か」を説明できるレベルが求められます。
SAAで学んだ各サービスの知識を「どう組み合わせるか」という設計力に変換することが鍵です。
推奨時間: 10〜14時間
フェーズ4:D3 継続的改善(25%)
Well-Architectedの5本柱に沿った既存ワークロード改善を習得します。
重点: Config Rulesの自動修復・Compute Optimizerの活用・コスト最適化の運用サイクル・GuardDuty→EventBridge→Lambda の自動修復フロー
D3では「問題を検出する仕組み」「改善を実施する自動化」「継続的に監視する運用設計」の3セットをセットで習得することが重要です。
推奨時間: 8〜10時間
フェーズ5:D4 移行と近代化(20%)
6R戦略と移行ツールの使い分け、近代化設計を習得します。
重点: 6Rのシナリオ別判断・DMS vs MGN vs Snow Familyの使い分け・モノリス分解のパターン(Strangler Fig・デコンポジション)
D4はSAAにはほぼ対応する深さがない独自領域のため、移行経験のない方はサービスのユースケースを実例ベースで整理することを推奨します。
推奨時間: 6〜8時間
フェーズ6:300問演習で弱点補強
全Volのインプット後、CertTrend LMSの300問(模試75問/180分)で実力測定します。
ドメイン別の弱点を把握して対応Volに戻る「循環学習」で、本番試験への準備を完成させましょう。
特にD1(組織的複雑性)とD2(新規ソリューション)に集中することが、配点比率(26%+29%=55%)から見ても合格への最短ルートです。
推奨時間: 10〜15時間
Vol別解説記事へのリンク
本シリーズはVol0(本記事)を起点に、Vol1〜Vol4でドメイン別に深掘りします。
配点比率が高い D2(最大配点)→ D1 の順に学習するか、Vol1から順番に読み進めるかは、自身の弱点に応じて選択してください。
関連実務記事(試験対策から本番運用へ)
SAP-C02で学んだ知識を実務に深化させる既存記事へのリンクです。
試験対策の「広く・設計判断」から、実務の「深く・実装」へとステップアップできます。
D1(組織的複雑性)関連:
– AWS管理・ガバナンス本番運用 Vol1 Organizations/Control Tower — マルチアカウント統制の実装
– ハイブリッドNW Direct Connect/VPN/Transit Gateway実践 — ハイブリッド接続の実装詳細
– AWS Security Vol3 IAM/KMS/Secrets Manager — IAM Identity Center の実装
– AWS Firewall Manager マルチアカウント統制 — 組織横断セキュリティの本番実装
D2(新規ソリューション)関連:
– AWSレジリエンス/DR本番運用 Vol1 — RTO/RPO設計の深掘り
– サーバーレス本番運用 Lambda/API GW/Step Functions — サーバーレス実装パターン
D3(継続的改善)関連:
– AWSコスト最適化本番運用 Vol1 — コスト最適化の運用サイクル
– AWS管理・ガバナンス本番運用 Vol2 Config/SSM — Config自動修復の実装
– AWS可観測性 Vol3 App Signals/SLO — 性能改善の監視基盤
D4(移行と近代化)関連:
– AWS移行・転送本番運用 Vol1 DMS/SCT/DataSync — DMS/DataSync の実装手順
– AWS移行・転送本番運用 Vol2 MGN/Snow/Storage Gateway — MGN/Snow Familyの実装
CertTrend LMS で300問チェック
Vol0〜Vol4でインプットした知識は、問題演習でアウトプットして初めて「試験で使える判断力」になります。
SAP-C02は「知識の暗記」にとどまらず、複合シナリオに対して最適な設計判断を導く力を問う試験です。
繰り返しの演習を通じたシナリオ別判断パターンの習得が合格に不可欠です。
本シリーズは、CertTrend LMSのSAP-C02コース(300問)と連携しています。
- 公式試験ガイド v1.2 のタスクステートメントに基づく300問のオリジナル問題
- D1=78問・D2=87問・D3=75問・D4=60問で配点比率に完全準拠(実測一致)
- 全問 Bloom L4-L6 — 「トレードオフを評価し最善案を選ぶ」設計判断問題に特化
- 正答理由 + 全誤答がなぜ誤りかを必ず解説(AWS公式ドキュメント一次裏取り済)
- 学習モード(300問・一問一答・解説即時表示)と模試モード(75問/180分/750点換算)の2モード
学習モードでは300問を1問ずつ出題し、回答後に解説が即時表示されます。
「なぜAが正解か、なぜB/C/Dが誤りかを全誤答に記載」しているため、単なる正誤確認にとどまらず、トレードオフ評価の判断基準を体内化する演習として活用できます。
模試モードでは300問のプールから75問をランダム出題し、180分の制限時間で本番形式の採点を確認できます。
750点(100–1,000スケール換算)に相当するラインへの到達を目安に、弱いドメインのVolに戻る循環学習が効果的です。
本シリーズはVol0(本記事)を起点に、Vol1〜Vol4でドメイン別の知識を積み上げ、CertTrend LMSの300問演習で本番力を高める設計です。
D2(新規ソリューション・29%)とD1(組織的複雑性・26%)の2ドメインで配点の55%を占めるため、このふたつを最優先に理解を深めることをおすすめします。
「選ぶ」から「判断する」へ——Professional帯の設計判断力を身につけることが、SAP-C02合格への最短ルートです。
出典: AWS Certified Solutions Architect – Professional 公式認定ページ・AWS Certified Solutions Architect – Professional (SAP-C02) Exam Guide Version 1.2