AWS DVA-C02 とは — 試験概要とこのシリーズの読み方
AWS Certified Developer – Associate(試験コード DVA-C02)は、AWS上でのアプリケーション開発・保守・デプロイの実力を認定するアソシエイトレベルの資格です。
同じAssociateカテゴリのSAA-C03(ソリューションアーキテクト)が「どのサービスを選ぶか」という設計視点を問うのに対し、DVA-C02は「コードでどう実装するか」という開発者視点にフォーカスします。
Lambda関数の設定・DynamoDBのキー設計・API GatewayのSDK呼び出し・CI/CDパイプラインの構築・X-Rayによる分散トレーシングといった、開発者の日常業務に直結するスキルを体系的に証明できる資格です。
- DVA-C02 の試験仕様(65問/130分/合格720点)と4ドメインの出題比率(§1)
- SAA-C03との根本的な違い—開発者視点 vs アーキテクチャ設計視点(§1)
- 400問実測から導いた頻出サービスTOP15(Lambda/DynamoDB/API GW中核)(§3)
- Vol0→Vol1〜4→400問演習という最短学習ロードマップ(§4)
- CertTrend LMS 400問の活用法(§6)
1-1. 試験仕様
公式試験ガイド Version 1.3(DVA-C02)および公式認定ページで裏取り済の試験仕様は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | AWS Certified Developer – Associate |
| 試験コード | DVA-C02 |
| 総出題数 | 65問(採点対象50問 + 非採点15問) |
| 制限時間 | 130分 |
| 合格スコア | 720(100–1,000 スケールドスコア) |
| 採点モデル | 補償的採点(全体スコアで合否判定) |
| 受験料 | 150 USD |
| 出題形式 | 単一選択(正解1)/複数選択(正解2以上) |
| 推奨経験 | AWS上でのアプリ開発・保守経験1年以上 |
採点は「補償的採点(compensatory)」方式で、特定ドメインが弱くても全体スコアが720点を超えれば合格です。
非採点15問は将来の問題評価用であり、試験中には識別できません。
1-2. SAA-C03との決定的な違い
SAAとDVAは同じAWSのAssociateですが、問われる視点が根本的に異なります。
SAA-C03(ソリューションアーキテクト)は、「どのサービスを使うべきか」「どう組み合わせると信頼性・コスト最適化が実現できるか」という設計・選定視点を問います。EC2 vs Fargate、RDS vs DynamoDB、SQS vs SNSといったサービス選定の根拠と、障害対策・スケーラビリティ・コスト最小化の設計パターンが中心です。
DVA-C02(デベロッパー)は、「選んだサービスをコードでどう実装するか」という実装・操作視点を問います。
Lambda関数のイベントソースマッピング設定・DynamoDBのquery vs scanの使い分け・AWS SDKのページネーション実装・X-RayによるSDK計装・CodePipelineのCI/CD構築と、開発者が実際に手を動かす場面が出題の中心です。
特にDVA-C02のD3(デプロイ)とD4(トラブルシュート・最適化)は、SAA-C03には対応ドメインが存在しないDVA独自の出題領域です。
CI/CDパイプライン・デプロイ戦略(canary/blue-green)・X-Ray分散トレーシング・CloudWatch EMFによるカスタムメトリクスは、SAA学習では触れない開発者の専門知識です。
1-3. 対象読者
本シリーズは以下のような方を主な対象としています。
AWS SDKやCLIを使ったアプリケーション開発経験がある方。Lambda・DynamoDB・API Gatewayを実務で触ったことがある方。SAA-C03を取得済み、あるいは並行して学習しており、開発者視点を体系的に証明したい方。CI/CD(CodePipeline/CodeBuild/CodeDeploy)・X-Ray・CloudWatchの実務知識を資格として整理したい方です。
出題4ドメイン全体像(比率・問題数)
DVA-C02は4つのドメインで構成されます。
公式試験ガイド v1.3 の出題比率と、CertTrend LMS 400問問題バンクの実測分布はほぼ完全一致しており、配点比率を学習優先度の指針として活用できます。
| ドメイン | 名称(公式) | 配点 | 400問実測 | 主なテーマ |
|---|---|---|---|---|
| D1 | AWSサービスでの開発 | 32% | 127問(31.75%) | Lambda・DynamoDB・API GW・SDK・キャッシュ |
| D2 | セキュリティ | 26% | 102問(25.5%) | Cognito・IAM・KMS・Secrets Manager |
| D3 | デプロイ | 24% | 97問(24.25%) | CI/CD・SAM・CloudFormation・Lambda versions |
| D4 | トラブルシュート・最適化 | 18% | 74問(18.5%) | X-Ray・CloudWatch・可観測性・最適化 |
| 合計 | 100% | 400問 |
D1:AWSサービスでの開発(32%・最大配点)
最も出題比率が高いドメインです。
Lambda・DynamoDB・API Gatewayのサーバーレス三本柱がDVAの核心であり、このドメインだけで127問を占めます。
主な出題テーマ:
– 冪等性の実装 — 重複イベントに対する条件付き書き込み・DLQ・リトライ戦略
– 指数バックオフ+ジッター — フォールトトレラント設計のコード実装
– Lambda設定 — イベントソースマッピング(SQS/DynamoDB Streams/Kinesis)・並行性・レイヤー・タイムアウト・送信先
– DynamoDB操作 — パーティションキー・GSI/LSI選択・query vs scan・整合性モデル・条件式
– API Gateway — リクエスト/レスポンスのマッピングテンプレート・バリデーション・ステータスコード上書き
– キャッシュ戦略 — write-through / read-through / lazy loading / TTL / DAX
S3・SQS・Step Functionsも頻出です。
SAAと同じサービスでも、DVAは「SDK呼び出しのコード」「設定値の意味」「コード挙動の推論」を問う点が決定的な違いです。
D2:セキュリティ(26%)
アプリケーション内での認証・認可・暗号化のコード実装視点を問います。
インフラ設計(SAA視点)ではなく、「どのコードを書くか」「どのAPIを呼ぶか」が出題の焦点です。
主な出題テーマ:
– Cognito — user pools(認証)vs identity pools(認可)の使い分け・フェデレーション
– Bearerトークン — JWT/OAuth2.0/STSを使ったAPI保護のコード実装
– KMS — エンベロープ暗号化・クライアントサイドvsサーバーサイド暗号化・キーローテーション
– Secrets Manager vs Parameter Store — 用途別の選択基準とSDKからの取得コード
– IAMロール — AssumeRoleによる一時認証情報取得・最小権限の原則・プログラマティックアクセス
D3:デプロイ(24%・DVA独自ドメイン)
SAAには対応ドメインが存在しないDVA独自の出題領域です。
CI/CDパイプライン全体の設計とデプロイ戦略の選択を問います。
主な出題テーマ:
– Code三兄弟 — CodePipeline(オーケストレーション)/ CodeBuild(ビルド)/ CodeDeploy(デプロイ)の役割分担
– デプロイ手法 — canary(段階リリース)/ blue-green(切り替え)/ rolling(順次更新)の選択基準
– Lambda versions & aliases — 加重エイリアスを使ったカナリアデプロイの設定
– IaC — SAM/CloudFormation/CDKによるインフラのコード化とデプロイ
– AppConfig — アプリケーション設定の動的管理
D4:トラブルシュート・最適化(18%・DVA独自ドメイン)
D3と同様、SAA-C03にないDVA独自ドメインです。
実運用でのデバッグ・可観測性実装・パフォーマンス最適化を問います。
主な出題テーマ:
– X-Ray — 分散トレーシング・サービスマップ・アノテーション/メタデータの使い分け・SDK計装
– CloudWatch — Logs Insights クエリ・EMF(Embedded Metrics Format)によるカスタムメトリクス
– 構造化ログ — logging/monitoring/observabilityの違いと実装
– エラー分類 — HTTPエラーコード(4xx/5xx)の切り分け・SDK例外の種類
– 最適化 — Lambda並行性・SQS/SNSのスループット最適化・キャッシュ戦略
頻出サービスマップ(Lambda/DynamoDB/API GW中核)
CertTrend LMS の400問を分析した頻出サービスランキングです。
試験対策の時間配分の基準として活用してください。

| 順位 | サービス | 400問中の出現数 | 主なドメイン |
|---|---|---|---|
| 1 | AWS Lambda | 34 | D1・D3・D4 |
| 2 | Amazon DynamoDB | 27 | D1 |
| 3 | Amazon API Gateway | 21 | D1・D3 |
| 4 | AWS CloudFormation | 18 | D3 |
| 5 | Amazon Cognito | 15 | D2 |
| 6 | Amazon SQS | 12 | D1・D4 |
| 7 | AWS KMS | 11 | D2 |
| 8 | Amazon S3 | 11 | D1 |
| 9 | Amazon CloudWatch | 11 | D4 |
| 10 | AWS IAM | 10 | D2 |
| 11 | AWS Step Functions | 8 | D1 |
| 12 | AWS CodeDeploy | 8 | D3 |
| 13 | AWS SAM | 7 | D3 |
| 14 | AWS CodeBuild | 6 | D3 |
| 15 | Amazon ECS | 6 | D3 |
サーバーレス三本柱(Lambda・DynamoDB・API Gateway)を最優先すべき理由
上位3サービス(Lambda/DynamoDB/API Gateway)だけで82問(全体の20.5%)を占めます。
これら3サービスは相互連携するサーバーレスアーキテクチャの中核であり、D1(127問)の主力です。
特にLambdaは34問と突出しており、D1の実装・D3のデプロイ戦略・D4のトレーシングにまたがって出題されます。
Lambda単体で試験の8.5%を占める計算になるため、Lambdaの設定パラメータ(メモリ・タイムアウト・並行性・レイヤー・イベントソースマッピング)を完全に理解することは合格への最短ルートです。
CI/CDツール群(D3の中核)
CodeDeploy(8問)・SAM(7問)・CodeBuild(6問)は単独でも出題されますが、CodePipelineとの組み合わせで出題されることがほとんどです。
パイプライン全体の役割分担(Source→Build→Test→Deploy)と各ツールの設定(AppSpec・buildspec・アーティファクト)を一体として理解しましょう。
学習ロードマップ(推奨順序)
フェーズ1:全体像の把握(本記事)
まずこのVol0で試験の4ドメイン・頻出サービス・SAAとの違いを理解します。
「どのドメインに何%の時間を投資するか」という学習配分を決めることが、効率的な学習の前提です。
推奨時間: 1〜2時間
フェーズ2:D1開発を攻略(最大配点32%)
Lambda・DynamoDB・API Gatewayを中心に、D1の実装パターンと設定値の意味を習得します。
最大配点のため、最も時間を投資すべきフェーズです。
重点: Lambdaのイベントソースマッピング・DynamoDBのキー設計・指数バックオフ実装パターン
フェーズ3:D2セキュリティ(26%)
Cognito・IAM・KMSの認証/認可/暗号化をコード実装視点で習得します。
SAAでもセキュリティを学習済みの方は、「設計判断」から「コード実装」への視点切り替えが重要です。
重点: Cognito user pools vs identity pools・KMSエンベロープ暗号化・Secrets Manager vs Parameter Store
フェーズ4:D3デプロイ(24%・DVA独自)
CI/CDパイプラインとデプロイ戦略を体系化します。
SAAに対応ドメインが存在しないため、ゼロから習得する学習者の多いエリアです。
重点: Code三兄弟の役割分担・Lambda aliasesによるカナリアデプロイ・SAMテンプレート
フェーズ5:D4トラブルシュート・最適化(18%・DVA独自)
X-Ray・CloudWatchによるオブザーバビリティ実装を習得します。
実務経験がある方には馴染みやすい一方、SDK計装の書き方など実装の詳細が問われます。
重点: X-Rayアノテーション vs メタデータの使い分け・CloudWatch EMF・構造化ログの設計
フェーズ6:400問演習で弱点補強
全Volのインプット後、CertTrend LMSの400問(模試65問/130分)で実力測定します。
ドメイン別の弱点を把握して対応Volに戻る「循環学習」で、本番試験への準備を完成させましょう。
Vol別解説記事へのリンク
本シリーズはVol0(本記事)を起点に、Vol1〜Vol4でドメイン別に深掘りします。
全体像を把握した後、D1(最大配点)から順に読み進めることを推奨します。
関連実務記事(試験対策から実実装へ)
DVA-C02で学んだ知識を実務に深化させる既存記事へのリンクです。
試験対策の「広く浅く」から、実務の「深く狭く」へとステップアップできます。
D1(開発)関連:
– サーバーレス本番運用 Lambda/API GW/Step Functions — Lambda実装パターンの深掘り
– Lambda Powertools レイヤー実践活用 — X-Ray統合・構造化ログの実装
– DynamoDBデータモデリング基礎 — キー設計・インデックス戦略の実践
– アプリ統合 SQS/SNS/EventBridge/API GW — 疎結合パターンの実装
D3(デプロイ)関連:
– AWS CI/CD基礎(Pipeline/Build/Deploy) — Code三兄弟の実践
– AWS CI/CD Vol2(SAM/CodeArtifact/Amplify) — SAMとCodeArtifactの深掘り
– CodePipeline/CodeDeploy blue-green実践 — blue-greenデプロイの実装
D4(トラブルシュート)関連:
– X-Ray / ADOT 分散トレーシング本番実装 — X-Ray SDK計装の詳細
– CloudWatch Logs Insights・メトリクスフィルター実践 — ログ分析の実装手順
CertTrend LMS で400問チェック
Vol0〜Vol4でインプットした知識は、問題演習でアウトプットして初めて「試験で使える知識」になります。
DVA-C02は「知識の暗記」にとどまらず、シナリオに対して正しい実装方法・設定値・ツール選択を判断する力を問う試験です。
問題演習を通じた反復トレーニングが合格に不可欠です。
本シリーズは、CertTrend LMSのDVA-C02コース(400問)と連携しています。
- 公式試験ガイドv1.3のタスクステートメントに基づく400問のオリジナル問題
- D1=128問・D2=104問・D3=96問・D4=72問で配点比率に完全準拠
- 正答理由 + 全誤答がなぜ誤りかを必ず解説(AWS公式ドキュメント一次裏取り済)
- 学習モード(400問・一問一答・解説即時表示)と模試モード(65問/130分/720点換算)の2モード
学習モードでは400問を1問ずつ出題し、回答後に解説が即時表示されます。
単に「正解はAです」ではなく「なぜAが正解か、なぜB/C/Dが誤りか」を全誤答に記載しているため、選択肢を吟味する力が鍛えられます。
模試モードでは400問のプールから65問をランダム出題し、130分の制限時間で本番形式の採点を確認できます。
720点(100–1,000スケール換算)に相当するラインへの到達を目安に、弱いドメインのVolに戻る循環学習が効果的です。
本シリーズはVol0(本記事)を起点に、Vol1〜Vol4でドメイン別の知識を積み上げ、CertTrend LMSの400問演習で本番力を高める設計です。
D1(開発・32%)とD3(デプロイ・24%)でDVA独自性が最大のため、このふたつを最優先に理解を深めることをおすすめします。
SAAとは異なる「開発者視点」でAWSを捉え直すことが、DVA-C02合格への最短ルートです。
出典: AWS Certified Developer – Associate 公式認定ページ(https://aws.amazon.com/certification/certified-developer-associate/)/ AWS Certified Developer – Associate (DVA-C02) Exam Guide Version 1.3